申請取次
出入国在留管理局(以下「入国管理局」)に申請手続きが必要になると,原則として在留を希望する外国人自ら入国管理局に出頭しなければなりません。
申請人に代わって申請書等を提出することが認められた「申請取次行政書士」にご依頼いただければ,申請人本人は入国管理局への出頭が免除されるので,仕事や学業に専念することができます。
申請取次行政書士が取扱う主な申請は次のものです。
〇在留資格認定証明書交付申請
〇在留資格変更許可申請
〇在留期間更新許可申請
〇再入国許可申請
〇資格外活動許可申請
〇就労資格証明書交付申請
〇永住許可申請
弊所ではお客様のご依頼に対して,非常に重要な手続きであることを認識し,公正・誠実にお応えして参ります。
相談①
出入国管理及び難民認定法(以下,入管法という)及び入管法施行規則には,外国人が適法に日本に在留するためにはどのような原則がありますか?
また,日本に在留する外国人に係る法的地位にはどのようなものがありますか?
① 一在留一在留資格の原則
入管法及び入管法施行規則には,外国人が上陸許可又は在留資格の変更もしくは在留期間の更新許可を受けて日本に適法に在留するためには,1個の在留資格とそれに対応する1個の在留期間が決定されていることが必要です。
② 在留資格の分類
日本に在留する外国人の法的地位として,入管法では29種類の在留資格を定めているほか,入管特例法が「特別永住者」という法的地位を定めています。
これらの在留資格等は,外国人が日本において一定の活動を行って在留するための入管法及び入管特例法上の資格(法的地位)です。
② 就労可能資格と就労不能資格
就労可能資格は就労活動や報酬を受ける活動を行うことが認められる資格などをいい,就労不能資格とは,資格外活動許可を受けなければ就労活動を行うことができない在留資格で,違法に就労活動を行った場合資格外就労活動罪が成立し,その者に就労活動をさせた者にも,不法就労助長罪が成立します。
相談②
就労可能資格と就労不能資格とはどのようなものですか?
① 就労可能資格と就労不能資格の分類は次の表のとおりです。
在留資格等
就労可能資格 | 就労不能資格 | |||
業務限定就労可能資格 上陸許可基準あり | 業務限定就労可能資格 上陸許可基準なし | 無制限就労可能資格 | 上陸許可基準あり | 上陸許可基準なし |
「高度専門職」「経営・管理」 「法律・会計業務」「医療」 「研究」「教育」 「技術・人文知識・国際業務」 「企業内転勤」「介護」 「興行」「技能」「特定技能」 「技能実習」 | 「外交」「公用」 「教授」「芸術」 「宗教」「報道」 「特定活動」の一部 | 「永住者」 「日本人の配偶者等」 「永住者の配偶者等」 「定住者」 特別永住者 | 「留学」「研修」 「家族滞在」 | 「文化活動」 「短期滞在」 「特定活動」の一部 |
就労可能資格は一定範囲に限って就労可能であるか,それとも制限なく就労可能かによりさらに業務限定就労可能資格と無制限就労可能資格に分類されます。
② 活動類型資格と地位等類型資格
活動類型資格とは,日本における外国人の活動自体を類型化した在留資格であり,地位等類型資格とは,日本において外国人が活動を行うための根拠となる身分又は地位を類型化した在留資格です。
③ 活動類型資格と地位等類型資格の分類
〈在留資格等〉
〇活動類型資格(入管別表1)
「外交」「公用」「教授」「芸術」「宗教」「報道」「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「介護」「興行」「技能」「特定技能」「技能実習」「文化活動」「短期滞在」「留学」「研修」「家族滞在」「特定活動」→就労可能資格と就労不能資格に分類される
〇地位等類型資格(入管別表2,入管特例法)
「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」特別永住者→いずれも無制限就労可能資格
相談③
私はコックをしています。在留資格は「技能」です。来日してしばらく経ち日本での生活に慣れたので,母国に残してきた妻を呼んで一緒に日本で生活したいのですが,どのような手続きが必要でしょうか?
① 日本において入管法に規定する在留資格をもって就労する外国人が配偶者を呼び寄せる場合は,通常就労する外国人の扶養を受ける配偶者として「家族滞在」の在留資格を取得することになります。
② 査証の取得
査証は,それを取得しようとする国にある日本国領事館等に申請をして取得するものです。
しかし,長期在留するための査証取得は日本現地の事情がよくわからないため審査に時間がかかるなど難しい面があります。
多くの場合このようなときには,日本の出入国在留管理庁が発行する「在留資格認定証明書」を外国にある日本領事館等に提示して査証申請することができます。
③ 在留資格認定証明書交付申請から査証取得,日本入国までの一般的な流れ
〈日本国内〉
代理人等が出入国在留管理庁へ在留資格認定証明書交付申請を行う
↓
在留資格認定証明書交付,出入国在留管理庁から代理人等に送付
(※在留資格認定証明書交付時,すでに「短期滞在」で日本に滞在している場合は,日本国内で「短期滞在」の在留資格から在留資格認定証明書で認定された在留資格に変更できる場合がある)
↓ 代理人等は「在留資格認定証明書」を本人に送付
〈日本国外〉
日本国領事館等に在留資格認定証明書を提示して査証申請を行う
↓
日本国領事館等から査証交付
↓
〈日本国内〉
日本入国(上陸許可)旅券,査証提示,在留資格認定証明書を提出(上陸港にて)
④ 入国後のポイント
【就労活動】
「家族滞在」の在留資格は,原則として収入を伴う就労は禁じられていますが,資格外活動許可を取得することを条件に,週28時間以内の就労をすることは可能です。この場合風俗営業等の職場で勤務することはできません。
【在留期間の更新】
「家族滞在」の在留期間の更新については,相談者の有する「技能」の在留資格の範囲内で日本での活動が適法に行われ,日本に呼び寄せた妻の在留状況にも問題なく,扶養を受ける家族としての活動が継続されていることが必要です。
相談④
私は「留学」の在留資格で日本に在留している外国人ですが,学校卒業後の就職先が決まったので,就労できる在留資格に変更したいですがどのような手続きを行えば良いでしょうか?
①「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請を行います。
・在留資格の変更とは,在留資格を有する外国人が在留目的を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合に,法務大臣に対して在留資格の変更許可申請を行い,新しい在留資格に変更するための許可を受けることです。
・この申請を行う際には,学校で学んだ修得内容と従事しようとする業務との関連性に注意が必要です。
大学ではなく専門学校(専修学校の専門課程)を卒業した場合は,修得内容と従事する職務内容との関連性がより重要視されますので,特に注意が必要です。
②平成30年入管法改正によって在留資格「特定技能」が新設されたため,技能試験及び日本語試験に合格している者については,一定の要件を満たす場合には,在留資格「特定技能1号」に在留資格変更することも可能です。